ハマダ伝

                                   作:濱田 哲二

 「駄句詠んで春夏秋冬お気樂に」 樂喜




  『ハマダ伝』 駄句一句 2007年(平成19年)


朝顔や今日の暑さも何のその(07/8/17)

猛暑日のピリオドに飲る梅酒割り(07/8/21)

お宝を汗で掘り出す蚤の市(07/8/21)



蝉止んで虫取り網に秋の風(07/9/1)

夏ゆくも蛹が孵(かえ)る揚羽かな(07/9/4)



窓を打つ強雨に嬉々と台風夜(07/9/6)

無花果や蟻も群がる甘さかな(07/9/9)



安倍沈み何故かひとひら椛(もみじ)散る(07/9/12)
            (安倍総理大臣が辞任)

ぶり返す熱にも似たり秋暑く(07/9/17)

仲秋や骨董市で狸買い(07/9/20)



故郷で墓石を洗う彼岸かな(07/9/23)

愛犬や
落葉毛足に絡ませて(07/9/25)



名月や金魚の池に映り住み(07/9/27)

街道に銀杏(ぎんなん)落ちる頃来る(07/10/1)



窓開けて枕日に干す秋日和(07/10/5)

菊まつり晴れの高座で笑い取り(07/10/8)



創られたヒーロー空し秋の蠅(はえ)(07/10/12)
       (亀田大毅の世界タイトルマッチ)

秋らしく青空青く天高く(07/10/17)



足柄の友の便りは山ぶどう(07/10/18)



その歌詞がほろりと苦き吾亦紅(07/10/26)

政局も小沢ごころと秋の空(07/11/5)
     (フィクサー小沢一郎民主党代表)

愛犬が陽の射す場所で眠る秋(07/11/7)



秋の夜や銀座で飲める果報者(07/11/9)

チャンバラをやった夕暮れ赤とんぼ(07/11/12)



機嫌よく酔った背中に秋の月(07/11/16)

芭蕉ならこの秋爽を何と詠む(07/11/21)



零歳に還る還暦秋深し(07/11/26)

行く秋や今日は呑もうか呑むまいか(07/11/28)

風もない小春日和に落葉掃く(07/12/14)



冬晴れや父読む心経甦り(07/12/22)
   (親類、榊原徳夫さんの葬儀にて)


  『ハマダ伝』 駄句一句 2008年(平成20年)


愛犬と蜜柑を分ける玉の春(08/1/2)

年明けて年金貰う歳となり(08/1/4)

餅二つ七草粥に入れて喰い(08/1/7)

還暦や赤いべべ着た冬金魚(08/1/21)



寒緩み吾の心も緩みがち(08/1/30)

街並を名画に変える雪力(ゆきじから)(08/2/3)



奈良井宿写メール見れば雪・氷柱(つらら)(08/2/5)



還暦も寒さもなんのお気楽に(08/2/15)

白梅や発句をせんと眺めたり(08/2/19)



春一番吹きも吹いたり荒らしたり(08/2/25)

日溜りや人生二幕目のんびりと(08/2/27)

閏年一日得した春日和(08/2/29)

ひな祭り翌朝に喰う残り寿司(08/3/4)

散髪しうなじすっきり春の風(08/3/12)

漁終えし漁船長閑に春湊(08/3/18)
             (小田原漁港にて)



白々と明けてもつづく余寒雨
(よさむあめ)(08/3/21)

ベランダにゴムの木移し春うらら(08/3/23)



風ゆるみ欅の新芽膨らみぬ(08/3/25)

今朝早く犬と歩きし桜道
(さくらみち)(08/3/27)



湯に浸かり湯快湯会の桜かな(08/3/28)
              (マッキャンOB会にて)



黄緑の山椒の新芽雨に濡れ(08/4/10)

油断すな寒気も混じる春の風(08/4/12)

愛犬や予防注射の卯月かな(08/4/18)



新緑を食い荒らす虫びっしりと(08/4/24)

歩くほど今が盛りの皐月哉(08/4/30)



酒抜けて今日は爽やか鯉幟(08/5/4)

胡錦濤主席来日皐月晴(08/5/7)
(漢詩ではありません、俳句のつもりです。この日の五月晴れのように、
問題山積みの日中が良い方向に向かいますように、願いを込めて。
全部、漢字というだけがミソの駄句です)


函館は桜盛りと文来る(08/5/9)



母の日や思いあれこれ夫(つま)として(08/5/12)

三渓園やはり目が行く花菖蒲(08/5/17)



休肝日たまにゃいいもの初夏の宵(08/5/22)

吹く風に雨の匂いか青い梅(08/5/24)



蕾持つ夾竹桃に青嵐(08/5/26)

紫陽花が薄く色づく路地の裏(08/5/28)



衣替え前の日なのに重ね着る(08/5/31)

下町の洋食食べて梅雨に入り(08/6/3)



見上げればそこに枇杷の実低い空(08/6/9)

ほうば巻き愛犬(いぬ)にも分けて皆で喰い(08/6/13)



菊正を梅雨晴れに飲(や)る神田藪(08/6/16)

花に雨うす紫のほてい草(ぐさ)(08/6/22)

庭で穫り自前の梅酒造る候(08/6/23)



チャドクガの被れもやっと癒えにけり(08/6/27)

雨音に合せひらひら金魚かな(08/6/30)

この夏は団扇で我慢エコっ子でぇ(08/7/2)



無念なり今宵七夕雨予報(08/7/7)

梅雨明けの宣言もなく猛暑かな(08/7/17)

打ち水や夏の暑さに句読点(08/7/19)

梅干を干す香酸っぱく土用かな(08/7/25)



蚊に刺されムッとする間にまた刺され(08/7/30)

暑いからお別れなのだ巨星逝く(08/8/4)
   (赤塚不二夫2日に肺炎のため死去 72歳)

北京五輪勝った負けたと糸瓜(へちま)かな(08/8/13)

立秋を過ぎて無花果(いちじく)赤くなり(08/8/15)



渓流に両足浸けて夏惜しむ(08/8/22)
                 (秋川渓谷にて)



八月もあと二日だとなごり蝉(08/8/30)

諦めぬ残暑見習え福田さん(08/9/2)
               (福田首相辞任)

秋晴れや金魚求めに堀の内(08/9/8)



ザッと来たやはり気まぐれ秋の空(08/9/11)

物忘れなぜか身に染む秋の風(08/9/16)

竹林に妖しく紅き曼珠沙華(08/9/25)



天高く青空青く気も澄みて(08/10/2)



雨上がり仄かに甘き金木犀(08/10/8)

夕暮れて熱燗旨き候となり(08/10/10)



ネオン街今日は寄らずに秋の暮れ(08/10/23)



ラミレスの一発に酔う秋の夜(08/10/26)

咲いたねと妻と二人で小菊かな(08/10/30)



オバマ勝ち世界が変わる秋となり(08/11/6)
    (アメリカ大統領選 共和党のマケイン候補を破り)

山茶花や今宵冷え込む予報なり(08/11/18)



控えめに咲くつわ蕗や庭見カフェ(08/11/28)



柿たわわ獲る人もなく冬日射す(08/12/1)



そのまさか新宿通り冬の雨(08/12/2)

師走来て公孫樹の大樹黄に染まり(08/12/3)


不況風吹けど万両元気よく(08/12/5)



掃く裡にもう落ち葉なり大欅(おおけやき)(08/12/8)



雲ひとつない冬空に烏かな(08/12/15)

中までも赤いか楽しみ赤大根(08/12/22)

年の瀬はやたら騒がしカラスまで(08/12/25)


雇用危機心が痛い寒さ哉(08/12/27)

晦日そば手繰りゆく年恙無(つつがな)く(08/12/31)


  『ハマダ伝』 駄句一句 2009年(平成21年)

初詣散歩がてらにお祖師さま(09/1/2)

新玉の酒の気抜けて初仕事(09/1/5)

志ん朝を聴いて今年も小正月(09/1/14)

ボサノバも歌う小春に皆が酔い(09/1/19)


どの店も底売りセール寒厳し(09/1/27)

立春を過ぎて長めのウォーキング(09/2/6)



小春日や番(つが)いの目白飛び来る(09/2/9)

チョコ摘みバレンタインに飲るバーボン(09/2/15)

暦見て今宵下弦の月と知り(09/2/17)

金魚の尾元気にひらら春近し(09/2/19)



牡蠣の旬皆で惜しんで白ワイン(09/2/24)

春の宵通夜で降りたる駅哀し(09/3/2)
      (* 落研同期、柳田クンの死を悼み)

鼻づまり金づまりより益しですが(09/3/13)

咲いたのはいいが桜(チェリー)よおぉ寒い(09/3/31)

さくら散る路を自転車のんびりと(09/4/12)

ねこやなぎ花器で根を出し春半ば(09/4/16)

旬は今蒸したメバルで友と飲み(09/4/27)

また雨か何処にいるやら皐月晴れ(09/5/7)

コンクリにみどりの風の光揺れ(09/5/22)

アスパラが旬のメニューのグリルかな(09/5/28)

無花果(いちじく)のまるでニキビだ実がポツリ(09/6/3)

愛犬がエノコロを食(は)む梅雨の時季(09/6/16)

ヘボ俳句梅雨で言葉も腐りがち(09/6/29)

善き人は七夕の日に空昇る(09/7/7)
        (伊東清先生葬儀

夏の夜に猪鍋食す贅を知り(09/7/8)

家族して迎え火跨ぎ幸祈る(09/7/14)

夏の島日食ショーに怨み雨(09/7/22)
      
皆既日食の日に)

腰病みて汗をかきかき温湿布(09/7/29)

土用干し若き梅干摘み食い(09/8/1)



曇りでも油断大敵日焼けかな(09/8/10)

パラソルと片陰(
(かたかげ)の街家人往く(09/8/16)

蝉も止み選挙の前の静けさよ(09/8/18)

問題は新インフルと
残暑かな(09/8/22)

秋扇(
(しゅうせん)という季語を知る選挙どき(09/8/27)

上海で夏の名残に雑技観る(09/9/5)



一向に句がまとまらず麦茶かな(09/9/8)

いただいた旬のバジルのパスタ喰い(09/9/10)

意地悪くなぜか居座る秋の雨(09/10/3)



道に散る木犀まるでトッピング(09/10/16)

秋空(そら)見上げイムジン河を口ずさみ(09/10/20)
         (加藤和彦逝く)

寒気来て暦も替わり身も締まり(09/11/2)

大往生落葉濡らせし涙雨(09/11/12) 
     ( 9/10名優・森繁久弥、96歳で死去)

風邪の候やる気起こらず散る落ち葉(09/11/26)

のほほんと好きなことして師走かな(09/12/18)

  『ハマダ伝』 駄句一句 2010年(平成22年)

またひとつ歳を重ねて雑煮かな(10/1/1)



小田原で採った薺(なずな)に花が咲き(10/1/4)

上天気初売りの聲くっきりと(10/1/6)



そのニュース列島震わす大寒気(10/1/16)
      (小沢幹事長・元秘書・石川議員など逮捕

一日で禁酒解禁夜は鍋(10/1/22)

帰り道やっと嬉しい雪となり(10/2/3)



節分も一夜明ければ豆も塵(ごみ)(10/2/5)



冬季五輪最初のメダル銀と銅(10/2/16)
   (男子スピードスケート500m 銀:長島圭一郎、銅:加藤条治)

朝の雪降ってはみたが淡く消え(10/2/18)



二つ目の夫婦の門出寒緩む(10/2/21)
      (立川志らら・高橋小百合結婚披露パーティーに出席)

カーリング崖っぷちなり水仙花(10/2/23)
    (バンクーバー五輪・カーリング女子スイスに負けて3勝4敗)

「金」が無く終わる五輪に春寒く(10/3/1)

ご勘弁行ったり来たり春と冬(10/3/7)


春の宵落語の後はハイボール(10/3/18)

桜梅雨開花遅らし鬱々と(10/3/25)



網代にて桜二分咲き干物買う(10/3/29)



青嵐またまた今日も吹き荒れぬ(10/5/7)

ジシバリが一輪咲きて初夏風情(10/5/10)



刺隠し野バラ健気に咲きにけり(10/5/18)
 
ヒメダカやそよとやさしく初夏の風(10/6/2)


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