炎昼やお宝探す蚤の市(07/8/21)

蛹から手品のように揚羽蝶(07/9/4)
鳥が来た無花果熟れてありっ蟻も(07/9/9)
ボロ市でやだな狸にひと目惚れ(07/9/20)
落葉つけ金に変えると愛犬(いぬ)が吠え(07/9/25)
菊まつりたい平文夫に弄(いじ)られて(07/10/8)
天高し三文のトク今朝の空(07/9/20)
足柄の友の便りは山ぶどう(07/10/18)
原っぱでみんな嵐寛(あらかん)赤とんぼ(07/11/12)
何と詠むこの秋爽を芭蕉なら(07/11/21)

朝起きて体操替わり落葉掃き(07/11/26)
小田原の蜜柑酸っぱし玉の春(08/1/2)
還暦や赤いべべ着て冬金魚(08/1/21)
街並を名画に変える雪景色(08/2/3)
白梅やいい句浮かばず臍(ほぞ)を噛み(08/2/19)
河豚マンボウ転がる湊(みなと)春うらら(08/3/18)
(小田原漁港にて)
ベランダにゴムの木移す春となり(08/3/23)

散るさくら愛で愛で今朝も散歩かな(08/4/5)
花冷えやトイレの側に陣を取り(08/4/12)
愛犬や予防注射の春となり(08/4/18)

みなツツジあの道この道次の路地(08/4/30)
小樽では今が桜と文(ふみ)キタル(08/5/9)
三渓園やはり目が行く花菖蒲(08/5/17)
吹く風も湿り気帯びて青梅かな(08/5/24)

紫陽花にホラいたソラいた蝸牛(08/5/28)
下町で洋食たべて梅雨に入り(08/6/3)
お裾分けするのが惜しいほうば巻き(08/6/13)
自家ウメシュどんな出来かと隠れ飲み(08/6/23)
この夏は団扇で我慢エコっ子でぇ(08/7/2)
梅干しの干す香酸っぱく土用かな(08/7/25)

渓流をジャバっジャバジャバ惜しむ夏(08/8/22)
(秋川渓谷にて)

この夏もあぁ暑かったなぁ金魚(08/8/30)
天気雨濡れて妖しき曼珠沙華(08/9/16)
風まかせ雲よどこ行く秋の昼(08/10/2)
夕暮れを待ちきれなくて新走(あらばしり)(08/10/10)
ネオン街演歌こぼれる秋の宵(08/10/23)
咲いたねと妻と二人で小菊かな(08/10/30)
山茶花や今宵冷え込む予報なり(08/11/18)
控えめに人生地道に石蕗(つわ)の花(08/11/28)

柿たわわ獲る人もなく冬日射す(08/12/1)
不況風吹けど万両元気よく(08/12/5)
掃いても掃いても落ち葉大けやき(08/12/8)

ぬか漬かサラダか迷う赤大根(08/12/22)
事件かなやたら騒がし寒鴉(08/12/25)
年越しは妻の天ぷら晦日そば(08/12/31)
お祖師さま散歩がてらに初詣(09/1/2)
ボサノバも唄う小春の小正月(09/1/19)
チョコ摘みバレンタインに飲るバーボン(09/2/15)
鼻づまり金づまりより益しな春(09/3/13)
ネコヤナギ花器で芽を出し根まで出し(09/4/16)
夏の日の日食ショーに怨み雨(09/7/22)
(皆既日食の日に)
上海で夏のたそがれ古酒で酔い(09/9/5)
またひとつ歳を重ねて雑煮かな(10/1/1)
節分や一夜明ければ豆も塵(ごみ)(10/2/5)

薄っすらと積もりて嬉し屋根の雪(10/2/16)

桜づゆ外出(そとで)諦めひとり酒(10/3/25)

網代では桜二分咲き里の山(10/3/29)

ジシバリが一輪咲きて初夏の風(10/5/10)

涼しげに目だかスイスイ夏来る(10/7/2)

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