悪友たちの酒飲みばなし

 GALLERY工 ヒストリー



1995年6月に谷中で産声を上げ、2002年3月に杉並の梅里に移転。2013年、今年の3月からGALLERY工 +Withとして新たなる船出をし、お陰さまで18年目を迎えました。

GALLERY工 +Withの常設展示ショップ
 
  座談会

  本山賢司(作家・イラストレーター)
  
櫻井逸雄(プランニング・ディレクター)
  
佐瀬寿一(作曲家)
  濱田郁子(GALLERY工 +With代表)

  司会 濱田哲二(GALLERY工 +Withプロデューサー)     


本山賢司 櫻井逸雄 佐瀬寿一
濱田郁子 濱田哲二

濱田 今日は、一杯やりながらギャラリー工【こう】のヒストリーを、皆さんと語り合いたいと思い、集まっていただきました。ここに集まっていただいたのは、言ってみれば私の被害者の会のような皆さんなんですが、家人の郁子だってそうですよね、大変な奴と一緒になっちまったと思っていると思うんですよ。とにかく、なんか思いつくと、やみくもにすぐそれをやらなくちゃ気の済まない性分なので、周りはその フォローや対応で大汗をかくという塩梅のようで、いつもお世話を掛け、ホントにスミマセンでございます!

本山 う、ハマちゃんなんだから仕方ないと、ついつい甘やかしてしまって。ハマちゃんとは、広告代理店のマッキャンエリクソン博報堂で一緒に仕事をしていたんですが、マッキャンを辞めてフリーでイラストを描くようになってからは、しばらくご無沙汰でよかったんですよ。
が、谷中にギャラリー工【こう】を開いたので個展をよろしく頼むよと言われたのが運の尽き、「WILD PORTRAIT」という油彩小品展をやったが最後、気が付いてみればズブズブと、ずいぶんと長い付き合いになってしまい した。そうか、あれからもう18年か…。


濱田 
谷中にギャラリー工【こう】をオープンした時は、まだサラリーマンだったから、その分、家人が大変だったかも知れません。

郁子 そうなんです、広告関係でお知り合いのアーティストさん以外の開拓は、全部、私任せ。必死になって東京藝大の若い作家さんに展覧会をお願いしたりして歩きました。


谷中時代

本山賢司油彩小品展 本山賢司陶磁器絵付展


佐瀬 ボクが濱田さんに会ったのは、谷中のギャラリー工【こう】で、日芸の放送学科の同級生、放送作家の高田文夫氏がプロデュースした芸人さんたちのアート展「やなか高田堂」に遊びに行って、工名物の丸テーブルを囲んでワイワイといろんな芸人さんたちと酒を飲んだのが最初ですね。

佐瀬さんと高田文夫氏 高田氏と濱田

濱田 高田氏とは日芸の落語研究会でいっしょで、仲良しだったこともあって、プロデュースをお願いしたんです。それにしても、みんな若かったよね、林家たい平さんも、立川談春さんも、まだ二つ目だった。春風亭昇太さんは、もう真打だったかな。ビートたけしさんが初めて描いた絵があって、談志師匠が遊びに来て…。高田氏と中学の同級生だという川村寛氏中心の編集で、小学館から本まで出したりしてね。


   芸人さんたちのアート展 Vol.2    芸人さんたちのアート展 Vol.3

櫻井 私が谷中のギャラリー工【こう】に初めて行ったのは、「やなか高田堂 しょの2」あたりだったかな、あの頃、濱田さんとは広告業協会の環境広告部会で知り合って。いっしょに「広告人のための環境コミニケーション入門」という小冊子などを創って。確か「今日から地球がクライアント」というコピーは、ハマちゃん作だったよね。

濱田 アハハ、お粗末さまです。当時、マッキャン関係でお願いした展覧会は、「フェザーカーヴィング 皆川清治郎展」、「野又穫 ドローイング展」、「ナメ川コーイチ展」、「中原道夫俳書展」、「油井昌由樹 窓の中の夕陽展」なんかがそうでした。
 
高田氏関係でお願いしたのが、「やなか高田堂」、「橘右橘江戸文字展」、「林家たい平展」、「立川談志 珍品コレクション」等々です。


フェザーカーヴィング 皆川清治郎展 

野又穣 ドローイング展 ナメ川コーイチ展
橘右橘 江戸文字と千社札展 林家たい平展

郁子 私がお願いした最初の展覧会は、東京藝大出身の若手陶芸家さんたちのグループ展「谷中陶衆」でした。
メンバーは、菊地勝さん、野田耕一さん、山田聡さん、吉田有紀さん、
栗原慶さん。その後は、続ける方、後輩に受け継ぐ方、色々で、「谷中陶衆 お茶を楽しむ」では、荒谷和子さん、岩淵真理さん、今田拓志さん、菊地勝さん、田中茂世さん、栗原慶さん、皆川容理子さん、永田芳美さんといった方々が参加してくれました。

又、「祝展」は、染織と皮革のお財布の木村(秋山)祐子さん、今はスウェーデンにいる陶芸の加藤由美さん、三宅一生さんブランドのアートワークでご活躍の版画の田宮奈呂さんの3人。そして、この3人に日本画の大西敦子さんも加わってくれました。あの頃、知り合った作家さんは、今でも深いお付き合いをさせていただいております。

そして、思いがけないご縁があってお付き合いが始まったのが、立体の茅木日出男さん、染織の岩崎訓久、悦子ご夫妻などです。


谷中陶衆「お茶お楽しむ 祝展

「鳥の詩』 茅木日出男展 岩崎訓久・悦子染織展

濱田 長い付き合いといえば、イラストの、イソノヨウコさんはこの頃、谷中の長屋に住んでいたり、 柏木リエちゃんはお隣のプチレストラン「筆や」さんの壁にイラストを描いたり…。
それから、工の丸テーブルを創ってもらった木工の柴原勝治さんとは、確か表参道でやっていた個展を見に行って知り合い、工でも個展を。
Tシャツ展などもやったんですが、
本さんをはじめいろんな作家さんにお願いして、とても楽しかったのを覚えています。

本山 それにしても、夜になると丸テーブルでよく飲んだよな。編集の浜美雪女史が、居酒屋ギャラリー工【こう】なんて、いつも言ってたもの


谷中とか、イソノヨウコ ・スケッチ展 柏木リエ First Exhibition
柴原勝治 木工展 木が反るで板 アーティストたちのTシャツ展   

濱田 アハハハ、よく飲んだよね。ギャラリーでも飲んだけど、近場では、居酒屋「町人」、アフリカ居酒屋「バオバブ」、お隣の「筆や」さん。夕焼けだんだんを降りたところの「大木もんじゃ」、穴子寿司の「乃池」なんかでね

2Fギャラリー・スペース 乃池ののれん
夜の飲み屋横丁 ギャラリー工入口とラッキー

佐瀬 その頃は、まだあまり一緒に飲まなかったけど、よく飲むようになったのは、濱田さんがマッキャンを早期退職して、本山さんの「スケッチ塾」とか、ボクの「ミュー塾」をやり出した頃からかな。ホント、それからは頻繁に飲むようになったよね。

櫻井 そうそう、私がギャラリー工【こう】に深く首を突っ込むようになったのは、鼻歌で作曲しようなんていうコピーで誘われた「ミュー塾」が切っ掛け。
これに端を発して、新しい時代の子どもの歌を創ろうという意気込みの「チャイルド・オアシス・プロジェクト」を3人で立ち上げることになるんだから、ホント、面白いよね。

梅里時代


郁子 振り返ると娘の始がギャラリー工【こう】に参加するようになったのは、大学を卒業した1997年からなんですよね。そして、ギャラリー工【こう】が谷中から、自宅のある梅里に移ったのは2002年。今から11年前です。
始が参加するようになってから、夫はArt関係はいっさい私と娘に任せっきりという態度でした。今のGALLRY工 +Withにつながる、マッキャン制作OBによる2008年3月にやった「Again展」をプロデュースするまでは…。

濱田 その「Again展」のメンバーには、当然、本さんにも入ってもらいました。

本山 毒を食らわば皿までってやつだもんね!

櫻井 アハハ。ところで、郁子さん、その間には、どんな作家さんや展覧会があったんですか?

郁子 ハイ、基本的には工芸関係の作家さんたちとのお付き合いが多かったですね。今までやった展覧会やイベントのDMのファイルが5冊ほどあるのですが、これを見ながらお話しさせていただきます。

まず最初は谷中で始めた「お台所 Kichien展」というタイトルとテーマでやったグループ展ですね。これが、お三時展、おやすみ展とテーマを変えて、現在まで続いております。メンバーは、布小物の木村(秋山)祐子さん、木工の垣本圭子さん、ガラスの片桐郁子さん、テキスタイルの奥由起子さん、陶芸の福田薫さん、金工の永井佳奈子さんでした。

谷中時代から続いていた東京藝大のメンバーによる「谷中陶衆」は、どんどん世代交代があり伊藤珠子さん、中田太陽さん、松田剣さん、皆川容理子さん、千葉雄一さん、森口直洋さん、村上哲さんという方々へ。

「ジュエリー展」は、赤岩千春さん、磐田綾さん、大西由貴さん、栗田浩子さん、佐々木多貴さん、周防絵美子さん、中安麗さんが、最初のメンバー。
次は、有我まみさん、大西由貴さん、鶴田安芸子さん、 中澤和美さん、羽深藤絵さんというメンバー。その後、色々入れ替わりもあって、小関郁子さん、井上愛さん、山本奈穂さんなどにも加わっていただきました。


マッキャンエリクソン博報堂・制作OBによるアート展 「Again展」

お台所 Kitchen展 谷中陶衆「茶房」

ジュエリー展 a present

濱田 ところで、「チャイルド・オアシス・プロジェクト」では、ケッコー、たくさんの子どものためのオリジナル曲が出来ました。ねっ、佐瀬さん。

佐瀬 そうね、NHKのドラマなどの脚本を書いている今井雅子さんの詞で「はだしになって」とか、コピーライターの三井明子さんの「空のはじっこ」とか、始ちゃんが詞を書いた「おふろのなみだ」、「夏のるすばん」。子どもに野菜好きになってもらおうと「やさいソング」も色々創ったよね。

櫻井 チャイルド・ハマー(濱田)が詞を書いた、「なに食べるベジ食べる」とか、「カントリー・コーン」とか。

濱田 櫻井漠然・作詞で「やさいくんこんにちは」もなかなかのもの!どう、奥ゆかしいでしょ、それぞれを持ち上げちゃったりして。アハハ…

  あ、そうだ、そうだ、展覧会のことに話を戻させていただくと、「Kichen展」の系列で、「おやすみ展」などもやりました。
メンバーは、テキスタイルの奥由起子さん、木工の薗部秀徳さん、ガラスの福田真木子さん、陶芸の松本芳美さん、金工の南沢奈津子さん。

そして、今年からは、新たに陶芸の泉さやかさん、木工の市村富子さんが加わっています。南沢さんは、ロケット打ち上げで有名な種子島に移住して、今はあちらで生活し、創作しています。


おやすみ home

郁子 この18年をたどる個展も色々な作家さんに、随分たくさんやっていただきました。DMを並べるとなかなか壮観です。

渡邊浩幸木工展 菊地勝 陶展

福島万希子 陶展 Bag  皿海佐多子

宮原裕子 お洒落服展

木村(秋山)祐子 おさいふ展

篠原裕子 陶展 川村成 織きもの展

漆器 宮原克人展 布のある風景 柏木江里子展

中温子 はな・花・HANA展 Grow マドノムコウ ハ ココロノ庭 吉岡旬子展
いものあそび、春展  いもの道具 みちくさ しちふゆ やましたの布きれ展 山下枝梨子

森のおくりもの 井丸富夫 春のあけぼの 中田太陽陶展

松尾武 木彫 金魚シリーズ 木村藤一 のんきなおくりもの

郁子 それから、残念ながらDMは残ってないのですが、大場匠さんのガラス展も、とても人気でした。 

そして、林家ペーさんじゃありませんが、これは余談ですが、移住といえば、ユミルさんこと陶芸の加藤由美さんがスウェーデンの美術大学に留学して、そのままヨーテボリに住むようになり、世界的パイプオルガン建造家の横田宗隆さんとご結婚。 2004年には、ストックホルムで「東京スタイル イン スウェーデン」 というアート・イベント
がありました。そこでユミルさんが、「朱々」という Japanカフェを出すことになり、始や木村(秋山)祐子さんがその手伝いにスウェーデンに出掛けて行ったのです。そのタイミングで、私たち夫婦も便乗してスウェーデンに行って来たのであります。

スウェーデンの現代美術館 東京スタイル・パンフレット
始、JAPANカフェ「朱々」にて Artshopを見て回る
世界的パイプオルガン建造家、横田さん ユミルさんとやはり陶芸家のモザーさん
JAPANスタイルの展示 現代美術館の庭

濱田 あの時は、豪華客船に往復で2泊してフィンランドにも行ってきました。 さて、話はガラッと変わりますが、染織の岩崎さんたちも、毎年、うちでやってくれていました。それから、「木×陶」の岡田敏幸さんと岩淵真理さんの2人展の時には、残念ながら亡くなってしまわれた地井さんが「ちい散歩」で来てくれたりして…。そうだ、そういえば、本さんは、「遠くに行きたい」の準レギュラーの旅人だったよね。

本山 余計なこと言わなくていいの。

櫻井 「ぶらり途中下車の旅」でも、舞の海さんがギャラリー工【こう】に来たって聞いたけど。

濱田 うん、ちょっと嬉しかった。それから、NHKの「美の壺」の鍋特集の時、スケッチ塾メンバーの佐藤倫郎さんが鍋奉行で鴨鍋をやって、ギャラリー工【こう】で撮影したこともありました。本さんも参加してくれて。テレビの本編ではボツになっちゃったけど、「美の壺」のWebサイトでは撮影した動画を流してくれていました。アハハ…、こうして話してみると、いろんなことを、色々思い出してくるね、なにせ、18年ですからね!


    地井さんが、岩淵さんのこの陶版をご購入、
   それをギャラリーで絵にも描いてくれました。

― PART2につづく ―

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