グリーンウッドワーク
|
グリーンウッドワーク作家の井丸富夫さんの工房を訪ねてきました。 「工房探訪おじゃまします!」のはじまりはじまり。 |
2012年4月17日(月)
旅先は寒に逆戻りで冷え込む夜。淳子さんが用意下さった「ゆたんぽ」を寝具の中に入れ、その懐かしい温かさに足の裏を乗せながら、今日起こった事を忘れないうちに書き留めておこうと、ペンを取っています。 井丸さんは、この町の保育所だった施設を再利用した工房で木工作品を制作しています。「グリーンウッドワーク」というイギリス発祥のクラフト運動の工法で、身近な自然の恵みを材料に使うことが出来ます。 |
![]() |
写真のテーブルは、工房の直ぐ近くの川沿いに生えていたという「ヒマラヤ杉」から出来ました。町の人々の生活に邪魔な為、役場で伐採したものを校庭に置いてもらったのだそうで、この木からつくられたダイニングテーブルは、天板の長さが4メートルで厚さ15センチもあります。これだけの大きなテーブルがあれば、大勢賑やかに集えることでしょう。(ちなみに腰かけている椅子も作品です。) |
![]() |
そして、こちらが残された切り株。工房からすぐの距離にあります。切り倒した痕とテーブルの両方を観る事ができれば、どうやって木を削り、部屋に運び入れ、組みたてたのだろうかと興味はつきず、話がはずみます。 |
![]() |
又、この「グリーンウッドワーク」では、電気工具を全く使わず、道具も1から手作りします。たとえば器を挽く時には、「足踏みロクロ」というものを使います。左足で踏み込むことによって、ロープが下に向かって引かれ、その力でしなった竹の動力が、今度はロープを上に引き戻します。この運動の中間に器を装着させた棒を取りつけ、ロクロを回転させるのです。 |
![]() |
足を使ってロクロを回転させながら、「フック」という刃物(上写真)を手に持ち、器を削っていきます。 器を制作中の井丸富夫さん。 |
![]() |
フック自体も手作りです、鍛冶場で作ります。右に見えるのが空気を送る「ふいご」。炉で鉄を軟らかくしたものをトンテンカンテンと叩いていきます。ちなみに左下に引っかかっている道具の数々も、全て手作りなのだそうです。びっくり。 |
![]() |
こうして出来上った器。コーヒーと、奥さまの淳子さん自家製のケーキ。薪ストーブで暖を取りながら頂くのは、とても美味しく、素晴らしい時間でした。 |
![]() |
濱田始 記 |