2017年11月 もくじ |
「健さん」で「寒青」という「語」知りにけり
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CSの日本映画専門チャンネルで、 米国在住の日比遊一監督がメガホンを取ったドキュメンタリー映画「健さん」を録画して観ました。その中に、健さんがいつも胸に秘めていた「寒青」という言葉を知りました。この言葉は、王陽明が考え出し、わが国では吉田松陰や三島由紀夫らにも多大な影響を与えた言葉だということです。
全てが枯れ果てた冬の荒野に、松だけは青々とした葉を茂らせ、屹立(きつりつ)している。人もかくありたいものだ…という意味だそうです。 健さんのエッセイに、こんなことが。 三井さんの手によるペンダントに刻まれた「寒青」の文字を見るたび、職人の矜持(きょうじ)を想い、心が引き締まります。三井彰さん。お父様の代を引き継ぎ、彫金や象嵌(ぞうがん)の仕事をされていました。気に入った腕時計の裏に自分の名前や贈りたい方の名前を彫っていただくために、ご紹介を受け、時々仕事場にお邪魔するようになりました。 ある時、山下耕作監督に贈りたいディレクターズチェアの木枠に名前を彫っていただこうと、相談にあがりました。監督の話をしていた私に、三井さんは「ちょっと待って下さい」と立ち上がり、背にしていた襖(ふすま)を開けました。初めて見るそこには、中国の書や仏像に関する本がぎっしり並んでいました。そこから迷わず一冊取り出し「顔真卿(がんしんけい=唐代の書家)がいいかと思います。この人の字は、とても男っぽい。この字体で彫りましょう」とおっしゃいました。いつも穏やかに迎えてくださる三井さんの、すぐれた技術の奥に秘められた弛(たゆ)まぬ努力に感動を覚えました。 といったものです。 ところで、ドキュメンタリー映画「健さん」は、外国映画にも積極的に出演し続けた高倉健の俳優としての在り方に焦点を当てた記録映画。マイケル・ダグラスは「ブラック・レイン」で共演した当時の思い出や撮影秘話を初めて明かし、大の高倉健ファンを公言し、「君よ憤怒の河を渉れ」の西村寿行による同名原作を再映画化する「追捕 MANHUNT」(香港=中国合作・邦題未定)を監督するジョン・ウーは、健さんへの思いを存分に語っている。 そのほか、「ブラック・レイン」の撮影監督を務めたヤン・デ・ボンや、高倉健が出演したハリウッド映画「ザ・ヤクザ」で脚本を担当したポール・シュレイダー、そして40年来の付き人である西村泰治氏が、高倉健の貴重なプライベートのエピソードの数々を紹介する。 日比監督は「高倉健さんという一人の人間の在り方は、どんなに時代が変わっても日本人として忘れてはならない矜持そのものだと思います。健さんファンに観ていただきたいのはもちろん、"健さん"を知らない若い世代の人たちにとっても"映画俳優、高倉健"との忘れられない出会いになることを、心から願っております」とコメントを寄せており、インターナショナルな視点から、映画の美学、日本人の美学、ひいてはアジアの美学を紐解いていくドキュメンタリー映画であると解説されていました。 「健さんに関する本」というサイトも参考になりました。 |
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21日、がん研に行って主治医の先生と面談をしてきました。その結果、私の転移性細胞肝がんの治験治療の効果が認められなくなったための新たな治療法として、レゴラフェニブ
(Regorafenib)、医薬品名はスチバーガ錠という、がんの増殖などに関係する特定の分子を狙い撃ちする分子標的治療薬の経口投与による治療を薦められました。
この薬は1日4錠、朝食後に3週間連日経口投与し、その後、1週間休薬、というのを1サイクルとして投与を繰り返すということで、副作用についての説明も拝聴。そして、経口投与を開始するに当たり、1週間の入院をするか、そのまま自宅での投与にするかというチョイスがあったのですが、自宅投与を選びました。 この薬は、以前飲んでいたネクサバール錠を一歩強力にしたものだそうで、その分、副作用も強くなる可能性があるということです。 明日は明日の風が吹く(替え詞) 風はきままに 吹いている 以上のような内容をFacebookに投稿しましたら、次のようなコメントをいただきました。 T. M: 濱田さん、立て続けの抗癌剤で体調を心配しています。いつもお写真の元気そうな笑顔を見て安心していますけれども。私も大変なバクダンを抱えているのですが、アプローチはまったく異なっています。…というか例のごとく標準治療をしていません。治療に対する考え方は人それぞれですが、とにかく自身が実感する体調は、生活する上でとても大事だと思っています。 これに対して、私はこんなコメントを返しました。 ありがとうございます。そうなんですよね、バクダンがどう弾けるのかというのは、神の味噌汁です。同じように、治療はどの治療がいいのかというのも、個人差がありますから一概に言えません。 そこで、「明日は明日、まずは今日を大切にしよう」という心境になっているところです。 |
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天気予報では、ここに来て気温が12月並みにグッと下がるということだったので、昨日は、ベランダや階段の踊り場など外に出していた冬に弱い植栽をリビングに入れました。その結果、それでなくても狭く雑駁な部屋が、温室まがいに衣替えと相成りました。![]() ゴムの木は、外もいっぱいで出すところがないので1年中部屋の中なのですが、昨日入れたのは、コーヒーの木、ハイビスカス、胡蝶蘭、ミニカトレア、ステレットという名の観葉植物などなど。 ![]() 兎にも角にも、ものが溢れている部屋を、それなりに片付け、一件落着。ここは、家族の団らんの場所であり、仕事の打合せ場所であり、映画やドラマを観るミニシアターであり、仮眠を取る療養の場所であり、冬には、温室ともなる、わが家の多目的スペースなのです。 ![]() ところで、小人閑居して不善を為す(君子必慎其独也 小人閑居為不善)という中国の古い故事がありますが、「偉人だったら、一人静かに田舎に暮らしても思想を深めたり真理に達したりするのだが、大した見識もない凡人が同じような環境で暇にしているとろくな事をしない」といった意味だそうですが… ![]() この自宅を、閑居(世俗を逃れて心静かに暮らす住まい)に見立てたり、子どもの頃憧れていた秘密基地の匂いのするスペースを意識してみたりして、整理整頓の出来ないまま、何とはなしにあれこれと暮らす毎日なのであります。 |
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2年前、私のプロデュースでやった「ことばとART・With展2015」の時、上梓したハマダテツジ作詞集「わた詩100詞」を久し振りに手に取っています。そして、その頃にFacebookに載せた文章も、パソコンのファイルを開いて読み返してみました。 お陰さまで、「ことばとART・With展2015」、好評のうちに無事終了いたしました。ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。この展覧会、5月の11日から青山1丁目のツインビルにあるマッキャンエリクソンの22Fロビーでも開催いたします。ぜひ、そちらの方にもお越しいただければと思っています。 写真は、今回の展覧会に合わせて上梓したハマダテツジの作詞集です。展覧会にお出でいただいた、日芸の落研の先輩で、マッキャンの上司でもあった坂田さんから、それを読んで、こんなメールもいただきました。 作詞!多作とバラエティーのエネルギーに驚くばかりです。まだ曲がついてないものがたくさんあるので、楽しみです。又、詩を読んでいるとなんとなくメロディーがでてきそうなのもあるようなのでそのうち勝手に「当て曲」でもしてみようなんて思ったりもしています。 などと嬉しいお言葉。更に、やはり元マッキャンのコピーライターで俳人の山本涼(長谷川総子)さんも来てくれ、作詞集をお求めいただき、こんな内容のお葉書もいただきました。 「作詞集」読ませていただきました。一番好きなのは「中野のライオン」です。ちょっと草臥れた中年男とふさふさした鬣(たてがみ)のライオンが寄り添って夏の夜空を見ている景にはうるうるします。次に「庭」で、これも良いですね。三番目に「銀座のきんぎょ」です。とありました。色々な意見が聞けたり、新たなプロジェクトが生まれそうだったり、やはり出版して良かったと思っています。 などと書かれていました。ところで、この作詞集を出した時には、まだ出来ていなかったのですが、「懐かし倶楽部」という詞があります。 懐かし倶楽部 蔦の絡まる 懐かし倶楽部 歌が流れる 懐かし倶楽部 セピア色した 懐かし倶楽部 お茶にしましょか この詞のように、この端暮日記でも、時々、過去返りを楽しもうと思っています。 |
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カラーコーディとは、カラーコーディネイトを略したもの。ところで、マンションの1階のガレージは、私のところと、4階さんの車が入っているのですが、最近、4階さんが、今まで乗っていたディープグリーンのジープから、エンジ色のボルボの乗用車に替え、その車が新たにガレージを陣取りました。
![]() 私のところの車はワーゲンで、シルバーメタル。そして、私のところには乗り古した2台のママチャリがあり、その色が、写真のように、何と同じエンジとシルバーだったのです。 私は、これを見て、思わず笑ってしまいました。偶然のことだから、このカラーコーディネイトが、尚更、おかしかったのです。 このコーディネイトということですが、服装のことについて、こんな記事が載っていました。 そもそも私たちは何のために服を着るのでしょうか?本来、服なんて着られればなんでもいいはずです。そのうえで着心地がよかったり、機能的であればなおさらいい。しかし、着心地のよさや機能性のみを重視する人が多く、「おしゃれさ」という概念が抜け落ちてしまっている人が少なからずいます。 一般社会において「ダサく見えない程度のおしゃれさ」を実現するには、柄やデザイン、色で攻める必要はありません。定番的な服を、ふつうに着るだけで十分です。例えば、ひときわ目立つような特徴的なアイテムを取り入れても、結局、悪目立ちしてしまい、ダサいと思われてしまいます。まずは着こなしの土台となるようなベーシックなアイテムをそろえ直していく。これがおしゃれを見直すための1つのポイントになります。 車とママチャリ、エンジとシルバー、趣味がいいとか、悪いとかはさておいて、何だかホントに楽しくなりました。 |
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その巣を見つけてくれたのは、区による手配で大ケヤキの剪定にやって来た植木屋さんでした。巣は、遊歩道側の大ケヤキの隣に植わっている金木犀の枝に造られていました。時々、遊歩道は掃き掃除をするのですが、迂闊にもこれまで全然気が付きませんでした。
区に連絡を入れると業者さんが来てくれ駆除してくれるというので、さっそく連絡を入れ日にちを決め駆除してもらいました。その時、業者さんに聞いた話では、軒下とかの他には、その金木犀や、椿、 その巣には、もう女王蜂はおらず、働き蜂が2匹残っているだけで、殺虫剤で駆除してもらい、なかなかいい感じなので、安全になったその巣を飾るつもりで貰い受け、リビングの脇のベランダに飾りました。そして、ネットでスズメバチのことを調べると、次のようなことが書かれていました。 ハチの中でも獰猛で危険度が高いのがスズメバチです。スズメバチは春先から秋にかけて活動しています。春先に、冬眠から目覚めた嬢王蜂が巣を作りはじめ、6月くらいになると働き蜂が羽化し始めます。そして8月から9月にかけて働き蜂の数はどんどん増えていき、それにともなって巣も巨大化していきます。 秋口になるとハチの数が最大になり、繁殖期のために攻撃性が高まるため、スズメバチの被害が急増します。この時期になると巣に近づくだけでも襲われてしまう事があり、巣の駆除は非常に危険な作業となります。スズメバチは毒性が強い上に、獰猛で、巣に近づくと大群で攻撃してくることがあります。 ミツバチやアシナガバチの場合は、自分から人を襲ってくるということは少ないのですが、スズメバチの場合は人が巣に近づくと見張り役のハチが警戒音を出して、巣に危険が近づいている事を仲間のスズメバチに知らせます。そして、大群で一気に襲ってくることがあるんです。 被害に合わないようにするためにはとにかくスズメバチの巣には近づかないようにすることです。もしも知らずに巣に近づいてしまった場合には、静かにそっとその場を離れるようにしましょう。大声を出したり走って逃げたりすると、動くものを追いかけるというスズメバチの習性を刺激してしまうので危ないです。 スズメバチの巣には何段にもなった巣盤とボール状の外皮があります。外皮は朽ち木の木質部や生きた樹木の樹皮をかじり取ったものを、だ液と混ぜて団子状にして巣に持ち帰ります。細かく噛み砕いた後、大顎と前肢を使って薄く延ばしながら表面に貼っていきます。 コガタスズメバチとキイロスズメバチの巣は、外皮に覆われたボール状で、巣が大きくなると縦に長くなります。外皮の模様はいずれも貝殻状ですが、キイロスズメバチの方が一般的に淡い色彩をしています。巣の側面に開いた丸い穴が出入り口となります。 とありました。私が駆除して貰った巣は、コガタスズメバチの巣だったと思います。 |
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