端暮日記 新連載! 
のんきな暮らし

秋高しのんき装いへらへらと 端暮


もくじ

2017年・夏 (平成27年) <8月
2017年・秋 <9月><10月><11月>
2017・18年・冬 <I2月><1月><2月
2018年・春 (平成28年) <3月><4月><5月>

ハマダ伝・改作版IN
*CM撮影で、若き日の石坂浩二さんと

はじめに

人生、のん気に暮らしたい。
だけど、なかなか呑気になんか暮らせない。
だから、暢気を装い、へらへらと…。

端暮は、はしくれと読む。一応、俳号というか、雅号のつもりです。はし‐くれ【端くれ】とは…1 木などの端を切り落としたもの。2 取るに足らない存在ではあるが、一応その類に属している者。多く、謙遜しながら自分を表すときに用いる。さて、端くれのくれを、暮としたのは、いよいよ自分が人生の 暮れ方、晩年に向かっているという意味合いも含めています。 そこで、これから、つらつらと思い立った時に書く私の日記を、 端暮日記としたいと思っています。

ところで、大正7年(1918年)頃から流行した俗謡で、添田唖蝉坊 (そえだあぜんぼう)が社会を風刺して歌い、昭和に入って演歌師の 石田一松も歌い、人気を博した、歌の終わりに「はは、のんきだね」 という 囃子詞(はやしことば)が入るところから、「のんき節」と呼ばれ た流行り唄があります。You Tubeで聴いてみようと捜したら、 春日八郎のレコードで、こんな歌詞の「のんき節」がありました。

のんき節

貧乏でこそあれ 日本人は偉い
それに第一 辛抱強い
天井知らずに 物価は上がっても
湯なり粥なり 啜っていきている
はは、のんきだね

万物の霊長が マッチ箱みたよな
ケチな巣に住んでる 威張ってる
嵐にブッ飛ばされても 津波を喰らっても
天災じゃ仕方がないさで 済ましてる
はは、のんきだね

月給を二倍に してあげましょう
税金も二倍に してあげましょう
物価は三倍 四倍に してあげましょう
私の算術なかなか 上手いでしょ
はは、のんきだね

パリの空の下 セーヌは流れる
東京は隅田という名の ドブが流れてる
オリンピックに集まる 青い目の人たちは
さだめし鼻を摘まんで 見物召さるだろ
はは、のんきだね

のんき節へ<IN

さて、さて、私、クリエイターの端くれとして、「人生は死ぬまで プレゼンテーション」だと思っています。コピーライターや、CD、 プロデューサーとして、大した才能もないままに、いろんなことをやってきました。アート展や、音楽イベント、落語の会などの企画・プロデュース、 そして、作詞。最近では、がんという厄介ものを抱えながら、 山あり谷あり、あれやに、これや、色々と…。そんな中で感じたことや、 思ったことを、ざっくばらんに綴っていく所存です。


   愛犬や昔の写真で出ています 2017/10/16(月

          <最新の記事>

まるで美空ひばりを聴いているようなCoCoのこの写真、パソコンの写真ファイルの中から探してひと笑いしました。 ところで、ひばりさんと言えば歌謡界の女王。その美空ひばりのカラオケで歌われる人気曲ランキングを調べてみましたら、次のようでありました。

1 愛燦燦 2 みだれ髪 3 川の流れのように 4 真赤な太陽
5 悲しい酒 6 港町十三番地 7 柔(やわら) 8 人生一路
9 悲しき口笛 10 越後獅子の唄 11 お祭りマンボ
12 おまえに惚れた 13 裏町酒場 14 津軽のふるさと
15 ある女の詩 16 ひばりの佐渡情話 17 花笠道中
18 あの丘越えて 19 車屋さん 20 リンゴ追分

さて、私の好きなひばりさんの歌といったら、「越後獅子の唄」「お祭りマンボ」「花笠道中」「江戸の闇太郎」「関東春雨傘」そして、「さくらの唄」となります。

後獅子の唄
作詞:西条八十 作曲:万城目正

笛にうかれて 逆立ちすれば
山が見えます ふるさとの
わたしゃ孤児(みなしご) 街道ぐらし
ながれながれの 越後獅子

お祭りマンボ
作詞:原六郎 作曲:原六郎

私のとなりのおじさんは
神田の生まれで チャキチャキ江戸っ子
お祭りさわぎが大好きで
ねじりはちまき そろいのゆかた
雨が降ろうが ヤリが降ろうが
朝から晩まで おみこしかついで
ワッショイ ワッショイ
ワッショイ ワッショイ
景気をつけろ 塩まいておくれ
ワッショイ ワッショイ
ワッショイ ワッショイ
ソーレ ソレソレ お祭りだ

花笠道中
作詞:米山正夫、作曲:米山正夫。

これこれ 石の地蔵さん
西へ行くのは こっちかえ
だまって居ては 判らない
ぽっかり浮かんだ 白い雲
何やらさみしい 旅の空
いとし殿御の こころの中(うち)は
雲におききと 言うのかえ.

江戸の闇太郎
作詞:西條 八十 作曲:古賀政男

月に一声 ちょいとほととぎす
声はすれども 姿は見えぬ
おれも忍びの 夜働き
どっかり抱えた 千両箱
こいつァ宵から 縁起がいいわい
ヘンおいらは 黒頭巾  
花のお江戸の 闇太郎

関東春雨傘
作詞:米山正夫 作曲:米山正夫

関東一円 雨降るときは
さして行こうよ 蛇の目傘
どうせこっちは ぶん流し
エー エー… エー 抜けるもんなら 抜いてみな
斬れるもんなら 斬ってみな
さあ さあ さあ さあ さあ さあ 
あとにゃ引かない 女伊達

さくらの唄
作詞:なかにし礼 作曲:三木たかし

何もかも僕は なくしたの
生きてることが つらくてならぬ
もしも僕が死んだら 友達に
ひきょうなやつと わらわれるだろう
今の僕は何を したらいいの
こたえておくれ 別れた人よ

この「さくらの唄」の関しては、久世光彦さんの名エッセイ「マイラストソング」で、こんな風に書かれています。

−略−昔、なかにし礼という不良がいた。不良には不良の辛(つら)さがあって、辛くてしょうがないので歌を書いた。−略−こっそり咳き込んで、ふと掌(て)を見たら、そこに色の薄い血が散っている―そんな歌だった。だからいま口にしてみても、言葉の一つ一つが、掌に掬(すく)った夕暮れの砂金のように優しく光っている。

−略−おなじころ、三木たかしという、これも不良がいた。食べられないので毎晩ギターを抱えて縄のれんを流して歩き、−略−塵芥(ごみ)の臭いのする路地裏の部屋にうずくまって呻(うめ)いていた。辛くてたまらないので歌をつくった。自分では言葉がつくれないので、なかにし礼の「さくらの唄」を貰った。気持ちがわかりすぎて、歌いながら涙がこぼれた。−略−歌手が誰も歌ってくれないから、自分で歌ってレコードを出した。一枚も売れなかった。

これで皆んないいんだ 悲しみも
君と見た夢も おわったことさ
愛した君も 今頃は
僕のことを忘れて 幸福(しあわせ)だろう
おやすみをいわず ねむろうか
やさしく匂う さくらの下で
さくらの下で

−略−売れなかった歌というのは、眠っているというよりは、死んでいるということだ。−略−しかし、この「さくらの唄」だけは、どうにかして蘇らせることができないものだろうか。―ドラマの中で流してみよう、と私は思った。

−略−それなら美空ひばりしかいない。私は自信を持って彼女の所属するコロムビアに交渉に行った。しかし、あっさり断られた。アルバムならともかく、一度他の歌手が歌った曲は、美空ひばりはシングル・カットしないというのである。女王の矜持(きょうじ)である。−略−レコード会社の言い分はもっともだったが、私は粘った。なんとか聴いてだけでも貰えまいか。それほどまで言うのなら、自分で行って頼んでごらんなさい。

私は大きなテープ・レコーダーを抱えて新幹線に乗り、名古屋で公演中の美空ひばりを訪ねた。−略−「もう一度聴かせてください」
−略−しんとした終演後の楽屋に、三木たかしの咽(むせ)ぶような歌が流れた。ちょっと泣き過ぎだと私は思った。もっと微笑(わら)いながら人に話しかけるように歌えばよかったのに―。すると、私が思った通りの歌い方で「さくらの唄」が何処からか聞こえてくるではないか。びっくりして見ると美空ひばりが目をつむって歌っていた。だるそうに楽屋の柱に寄りかかり、疲れた横顔に、疲れた笑いを浮かべて、歌っていた。

−略−安っぽい人情噺と言われてもいい。私はこの夜のことを一生忘れないだろう。ひばりはポロポロ涙をこぼして歌っていたのである。そしてテープが終わると、私に向かって坐り直し、「歌わせていただきます」と嗄(しゃが)れた声で言って、それから天女のようにきれいに微笑った。

−略−美空ひばりの「さくらの唄」は、同じタイトルのドラマの主題歌として、半年の間、毎週テレビから流れ、同時にレコードとして全国で発売されたが、ほとんど売れなかった。−略−言い訳めくが、あまり良すぎても、レコードというものは売れないのである。けれど、いつ、どんなときに聴いても泣いてしまうという歌は、そうあるものではない。−略−一度でいいから聴いてみて欲しい。少なくとも私一人は、あの歌が美空ひばりの<ラスト・ソング>だと信じているのだから―。

私は、この久世さんのエッセイが大好きなのであります。


NEXT
GALLERY工+Withに戻る